第七十一章

ミカエル視点

襲撃のあと、評議の間は血の臭いでむせ返っていた。

窓を目いっぱい開け放っても、悪臭は石肌にまとわりつき、吸い込む息のひとつひとつに染み込んでくる。昨夜の襲撃で流れた長老たちの血は、まだ完全には乾ききっていなかった。遺体はすでに運び出されている。生前、彼らが求めた儀礼に従って葬られるのだろう。だが、死してなおその儀礼に値したのかと問えば答えは違う。それでも、記憶だけはこの場にこびりついたままだった。

俺は立ち尽くし、彼らが座っていた焦げた木を見つめた。両手を背で固く握りしめる。ムーンライトが崩れ落ちた重さは、アルファの称号など比べものにならぬほど、俺の肩を押し潰していた。

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